会社2.0 を考える

ふと「会社2.0」という言葉が頭に浮かんだので、タイトルにしてみました。弊社は滋賀県彦根市という田舎で事業をしていて、地元滋賀県の中小企業さんが取引先の8割程度を占めています。一期一会だと思っていますので、商談を開始するときは、商談相手の会社情報を徹底的に勉強するのですが、多いな~と思うパターンが以下のようなものです。

・設立は戦後すぐ、もしくは高度経済成長期(~1980年頃)。
・社長は2代目以降で、創業者ではない。
・創業者がもともと地元の有力者。
・同族経営。

大きい会社になればなるほど、上記のパターンのどれかにはまることが多いなと感じます。もちろん会社を大きくするには長い時間が掛かるという事実もあるのでしょう。でも戦後すぐや高度経済成長期に創業して、そのままの流れで事業を継続されている会社さんがとにかく多いなという印象です。やはりそういう伝統のある会社さんは、創業時からの価値観や労働習慣を継承されていますから、私にとっては不思議に思うことが多々あります。

1つは飲酒の文化です。確かにお酒の力を借りないと言えないこともあると思うのですが、定期的にやる必要もないし、お酒の場で交わした会話は当事者が忘れてしまっている場合もありますし。二日酔いでパフォーマンスも落ちますし、夜の飲み会は睡眠時間も削りますから、いったい何が良いのだろうと思います。そんなわけで弊社には飲み会はありませんが、やはり伝統的な会社は飲み会がちょいちょいあるようです。お酒好きには良いのかもしれませんが・・・

2つは電話の文化です。電話の効用は「思ったことをすぐに口に出して、相手に伝える事ができる」ことだと思うのですが、これは話し手に有利すぎる方法です。というのも受け手からすると、「突然、考えてもいなかった話を振られて、瞬時に理解し、記憶し、返答しなければならない」からです。返答は留保することもできますが、特に瞬時に理解し記憶する、というのが難しくて、話し手が長々と一方的に話した後、「さっき言っておいたじゃん!」って言われると、「本当に理解させる気ある?」とゲンナリします。私も電話はたまに使いますが、緊急かつパソコンやスマホが使えない状況だけで、それ以外は文章で伝えます。発信側の技量は問われますが、相手に要件が的確に伝わるので、そのようにしています。

3つめは口頭の文化です。電話を多用する会社さんは、口頭の決め事が多いように思います。もちろん商談や企画会議を文章でやるのは非効率なので、口頭でコミュニケーションすべきだと思いますが、だんだん案件が具体的になってきたら、案件の具体的内容を文章にすべきだと思います。後で「言った言わない」の議論は本当に不毛です。

4つ目は対面の文化です。まずは実際にお会いして・・・という会社さんが多いです。私も実際に現地に足を運んだ時に得られる情報量って凄いなと思うので、必ず1回は実際に会社さんに出向くようにしていますが、とにかく対面コミュニケーションにこだわられると、費用も時間も掛かるし、それらの費用や時間は結果的に経費としてお客様からいただくことになるわけですから、これって本当にお客様のためになっているのかな?と思います。今はZoomやTeamsやGoogleハングアウト等で簡単にミーティングできるわけですから、対面にあまりこだわる必要はないと思いますね。

5つ目はギフトの文化です。誰でもギフトをもらったら嬉しいと思いますので、たまに謝礼として取引会社様にギフトをプレゼントすることはあるのですが、給料の一部をはたいて社内でギフトを交換し合う必要はないでしょう。年賀状もそうですね。仕事でちゃんとギブができていれば、同僚からちゃんと笑顔や協力が得られるはずですし、ギフトで関係性を構築するのは感心しません。仕事でちゃんとギブしましょう!

6つ目は上下の文化です。大きい会社になればなるほど、組織階層が複雑になってきて、意思決定の場にも出てくる人の数がどんどん増えます。上下関係も厳しくて、誰が上役で、誰が部下か、誰が意思決定権を持っているか等を考えて行動しないと、失礼を演じてしまったり、一向に商談が進まなかったりします。商談で部署間や上司部下、社長と他の経営陣等の人間関係や考え方の違いも如実に出るので、それらを踏まえて商談を進めないといけないので、神経を使いますね・・・。

弊社は飲酒イベントは無いし、電話は受付代行を入れていて社員が直接電話を受けることはないし、口頭よりもチャットで伝える文化だし、対面にはこだわりません。ギフト文化もないし、組織はわりとフラットです。そんな感じなので、先進的な会社ですね!と言われることも多いのですが、他の同業者さんと喋っていて、「都市部では、みんな出社せず、リモートワークだけで完結していますよ。そもそも社員がほとんど居ませんし。」と言われて、なかなか衝撃的でした。

ちょっと私も古かったなぁ~(^▽^;)
弊社もときどきリモートワークを入れているので、オフィスワークのメリット・デメリットと、リモートワークのメリット・デメリットもなんとなくわかっているのですが、オフィスワークが基本的な就業形態を取っていて、真剣にリモートワークを考えたことがなかったので、そういう点ではまだまだかなぁと思いました。

リモートワークだけならまだしも、社員がほとんど居ないっていうのはどうなんだろう・・・。制作物の品質やスピードが遅くなったりしないのか、それらに対して会社は責任を負いきれるのでしょうか?

経営だけで考えたら、プロジェクトごとにフリーランスだけでチーム編成する方が、固定費が掛かりませんから、優れた経営手法だと思います。うまくはまれば、高品質で早く制作物を納品できるかもしれません。ただしみんなが目先の金ばかりを追うようになって、真剣にお客様の未来を考えてくれるのかなぁ。お客様も良いものを安く早く手に入れたいだけだから、Win-Winなのかなぁ?自分たちも真剣にお客様の未来を考えているのか?と言われると、お客様ご自身ほど真剣にはなれるわけはないので、結局たいてい変わらないのかなぁとか思ったり。

まぁ、いろんな組織がありますけど、これからも人材不足がどんどん進むでしょうから、否応なしに人々が願う働き方にあった会社の在り方に変わっていくと思います。会社2.0 を真剣に考えたいと思います。