アートとデザインの違い?

弊社はデザインを主業にしているので、芸術系の大学や専門学校を卒業された方が就職面接に時々来られます。素敵な制作実績やアート作品を作られる方も居られて、この人だったら良いデザインができるだろうな~と思っていたりするのですが、実際の業務に入ってみると、なかなかうまくいかないってことが結構あります。いつもなぜなんだろう・・・と思ったりしていたのですが。

最近ふと思ったのが、アートは自分が想像したものや好きなものをビジュアル化するのに対し、デザインは他人が提供する情報素材を整理したり加工したりしてビジュアル化する行いなのではないかと。つまり私たちが主業としているデザインは、自分たちのためではなく、ご依頼いただいた事業者様のために、事業者様自身では整理がつかない情報をいただき、それらを理解し咀嚼したうえで、目に見える形にアウトプットすることなのではないかと。そう考えると、素晴らしいアート作品が作れる人が、必ずしもデザインに向いているわけではないというのも、何となく納得できる気がします。

もちろん事業者様が提供される情報を整理してデザイン素材の形に落とし込む人と、そのデザイン素材を綺麗にデザインして実際のアウトプットを作成する人に分けて仕事すれば、うまく行くのかもしれません。ただそれだと双方で意思疎通が実際のところは難しいですし、良いデザインに繋がりにくいように思えます。そこで弊社ではデザイナーが事業者様から受け取った情報の整理や加工から、実際のアウトプット作成まで首尾一貫して行っており、それが良いデザイン作りに繋がっているように思います。

今のところはそれでうまく行っているようにも思うのですが、事業者様のビジネスを理解するための幅広い一般知識や、事業者様とやり取りして情報をうまく引き出すコミュニケーション能力、自分の対応できる事とできない事をしっかり伝える交渉力が必要になり、結果的にデザイナーの敷居が高くなっているとも思います。どうすれば良いのでしょうね、、日々悩んでいます。