商圏分析セミナーが良かったという話

彦根商工会議所さんからご案内をいただきまして、たまたま時間に余裕があったので、商圏分析セミナーというイベントに参加させていただきました。当日は十年に一度の大寒波が来ると言われていたタイミングで、雪は降っていなかったものの、ものすごい風が吹いていて、これはひょっとしてすごい雪が降るかもと思わせる天気でした。天気を心配されてか、行ってみると参加者は十名程度と閑散。仮に雪が降っても、商工会議所から会社まで近いので、のんびりと歩いて帰ればいいやと、私は至って気楽に参加しました。

セミナーは自分にとってはとても興味深かったです。特に面白いと感じたのは以下の点ですね。
・商圏で自分の店は認知されていると思っていても、実はほとんど知られていない(意識されていない)という事実。
・商圏は地理的条件によって分断される。地形的条件とは、山や川や鉄道や交通量の多い道路など。
・人の意識はそもそも向かう方向というものがある。昔でいえば城のあるところ、今でいえば町や都市が中心。自然と人はそちらを向いている。

人の意識の向く方向は、証明するのが難しそうですが、直感的にはとても理解できます。以前から思っていたのですが、湖北や湖東の商談では地元業者がコンペ相手になるのに、湖南の商談だと京都の業者がコンペ相手になることが多いのです。例えば彦根~大津間よりも、大津~京都間のほうが距離が近いので、そりゃそうだろってことなのですが、京都ってだけでリスペクトしている雰囲気を感じるのです。個人的にはそんなに変わらんでしょと思うのですが、笑 人の意識の向かう方向があると言われると、とても合点がいきましたね。

シェアを意識した戦略もなかなか新鮮でした。シェアを求めるためには、まず母集団を決める必要があります。個人顧客をターゲットとする事業なら、町ごとの人口や世帯数を市のホームページなどで調べれば良さそうですが、弊社のような事業者をターゲットとする事業の場合、母集団の設定が難しいです。そんなわけでシェアを求めるのは難しいと諦めた経験があったのですが、今回はある事業者リストを利用して、やや強引にシェアを求めてみました。すると、以下のような発見がありました。

・彦根市のシェアが最も高かった。彦根市に会社があるので、当たり前ではあるけど、こんなに高いとは思わなかった。
・長浜市のシェアが2番目に高かった。距離で言えば東近江市も近いが、長浜市のほうが圧倒的にシェアが高かった。
・距離が離れるにつれてシェアは比例的に低下していくが、JR琵琶湖線沿線の野洲市・守山市・草津市のシェアが意外に高い。
・距離のわりには、JR草津線沿線の湖南市や甲賀市のシェアが著しく低い。というかほとんど居ない。
・草津市は意外にシェアが高いのに、大津市は著しくシェアが低い。でも湖南市や甲賀市よりはマシ。
・たいして広告宣伝をしていないわりには、県内シェアが1%を超えていた。驚き。

母集団をどう設定するか、そしてどの事業者さんを弊社の顧客とカウントするかによって、結果はいくらでも変えられるので、この結果は事実に基づくものではなく、あくまで私的な数字遊びに過ぎませんが、それにしても今回のセミナー内容にかなり合致しそうな、非常に面白い結果となりました。弊社はあまり距離を意識していませんが、事業者さんは距離を意識しているということがよくわかります。インターネットに関する事業とはいえ、ローカルの事業者さんを相手にする仕事ですから、商圏は少し意識して経営していきたいなと思いました。

セミナー講師を担当された田内先生のYouTubeは以下から見られます。
興味のある方はぜひどうぞ!
https://youtu.be/BJOawocu-FA