挨拶の効用

自分は基本的に不愛想で人付き合いが苦手な人間だと思うのですが、仕事上お客さんと接して、今大事にしているのが「挨拶」です。

子供の頃、挨拶は何のためにあるのか全く理解できず、「挨拶しなさい」と言われても挨拶しないという、非常にひねくれた子供でした。納得できないことは絶対にやらないという頑固なところがありまして。本当に面倒な子供だったと思います(笑)そのまま大人になりましたが、当然コミュニケーションはうまくいかず。いつも集団の中でポツーンという孤立した存在でした。自分はそういうキャラだからと正当化してきましたし、それを変える気もあまりなかったのですが、自分が事業主となるとそうも言っていられません。自分に足りないものは何かと考えた時に、挨拶が致命的にできていないことに気づき、挨拶をするようになりました。

挨拶自体はとても簡単です。「おはようございます」「こんにちは」「お疲れ様です」とか。まぁ、以前からやってたのだと思いますが、挨拶が何のためにあるのか理解できなかったため、仕方なくボソボソと挨拶していたと思います。ただ進んでやってみると、相手に対して何かを働きかけたり、お願いしなければならない時に、挨拶はとても便利な入り口であることに気づきました。ほとんどの人が挨拶をすると、ちゃんと挨拶を返して、こちらに注目してくれるのです。社会に出ると、みんな自分のことで一生懸命で、他人のことなんて誰も注目してくれません。それが挨拶をすることで、一瞬ですが、こちらに注目してくれるのです。これってなかなか便利なツールだと思いませんか?

あくまでコミュニケーションツールの1つなので、使う使わないは個人の自由ですが、使った方が圧倒的に対人関係を有利に作ることができるように思います。私もそうでしたし、今の若い方々はITを使ったコミュニケーションツールが発達して、ますます生身のコミュニケーションが苦手になってきていると思いますが、人に対してちゃんと働きかけようと思うと、生身のコミュニケーションの方が圧倒的に強力です。電子メールやチャットは相手と信頼関係が出来ている場合にはちゃんと読んでもらえますが、そうでない場合は簡単にスルーされますし。生身のコミュニケーションに比べるとやはり貧弱ですね。

ITの発展は今後も続くでしょうし、人工知能やらも実用化されてきて、近い将来、単純な仕事はどんどんなくなっていくと予想されています。ただ人が人と関わることで、新しいモノやコトが作られていくのは変わらないでしょうし、その連携はコミュニケーションによって支えられます。最も強力な生身のコミュニケーションは挨拶から始まり、挨拶で終わります。コンピューターだってプロトコルと呼ばれる挨拶を交わしてコミュニケーションを行っているのです。人間が挨拶をできなくてどうするのでしょうか。