非営利法人の利益の考え方の違いに驚いた話

昨日、第48期経営指針を創る会の第4講が行われ、私もOB・OGということで参加させていただきました。個人的には知見が増えてとても楽しかったのですが、受講生さんを大変疲れさせてしまったようで反省しきりです。

いろいろな学びを得られた会でしたが、もっとも印象に残ったのは営利法人と非営利法人では利益に対する考え方が全く違い、それが決算書の損益計算書にも色濃く表れるという点でした。

営利法人(例えば株式会社)には株主という法人を所有する個人が居て、税引後の最終利益や累積的な利益剰余金はその株主に帰属します。なので、会社を仮に解散するとしたら、債務を整理して残った財産は株主のものになると思います。

それに対して非営利法人(例えば社会福祉法人)には株主という存在は居らず、理事会や評議会で経営が行われるそうです。では会社を仮に解散する場合の残余財産は誰のモノになるかというと、理事や評議員で分配することはできず、どうも結論としては国庫に帰属するという話のようです。

損益計算書の記述方法もやはり異なるようで、営利法人(例えば株式会社)の場合は1年間の売上から売上原価や販売費・一般管理費等の経費を引いて、残ったものが1年間の利益となり、同時に貸借対照表の自己資本の部に積みあがります。

一方、非営利法人(例えば社会福祉法人)の場合は、1年間の売上から経費を引いて、残ったものが1年間の利益になるという点は基本同じようですが、前年の繰越利益を戻入して、今年度の利益と合算して、最終的な利益(次年度の繰越利益)を計算するそうです。

たいした違いはないやんと思われるかもしれませんが、営利法人はオーナーシップが明確なので、累積的な利益は利益剰余金として貸借対照表に確固として存在できるのですが、非営利法人は誰のモノでもないので、利益剰余金はあくまで暫定的に黒字が積みあがったものとして、一旦本年度の損益計算書に戻入するというところが、株式会社オーナーとしてはとてもユニークに感じました。

営利法人はそもそも利益を得ることが目的なので、利益剰余金も積みあがっていくのが自然な姿なのですが、非営利法人の利益剰余金は事業に供する資産と運転資金の元手と考えられそうです。そうなると事業に供する資産(土地や建物や機械設備や車両など)と運転資金(固定費の3~6ヶ月分)から考えて、適正な利益剰余金の額も計算できそうですね。

非営利法人があまりに利益を貯め込みすぎると監督官庁から指導が入るという話も何となく理解できます。とはいえ、組織の自己防衛本能といいますか、将来に対する不安から必要以上とわかっていても利益を貯め込んでしまう気持ちが働くのもわかります。非営利法人の経営者さんが利益とどう向き合うのか、特に外部の方に利益目標をどう説明するのかは、案外難しいかもしれないなと思いました。