組織への適応のしやすさを考える

先日、同業の友人と話していた時に、「未経験者を採用するときに何を見ているか?」という話になって、最近はSPIの「組織への適応のしやすさ」の4象限を重視しているという話をしました。

この4象限は、SPI受験者さんがどのような組織に向いているかを示したもので、大きく「創造重視」「結果重視」「調和重視」「秩序重視」から成っていて、その強度に応じて16種類に分類されます。初めのうちは全くこれらを気にしていなかったのですが、実は同じ職場で付き合ううちに、その人の組織適性のほうがはるかに重要ではないかと思うようになりました。というのは、同じ象限の人同士だとコミュニケーションが円滑なのに、対角の象限の人同士だとコミュニケーションがうまくいかない事例がちょくちょくあったからです。

最初のうちはなぜ話が嚙み合わないのか、不思議でしようがありませんでした。理由がわからず、双方がイライラし、誠実に話そうとすればするほど、ドツボにはまっていくというか、話が平行線になっていく絶望感がありました。双方が建設的に話そうとしているにも関わらず、です。

話の伝わらない絶望感にいつも落ち込んでいましたが、ふとこのフレームワークに当てはめて考える機会があって、一方は論理的に伝えようとしていて、もう一方は気持ちを伝えようとしていたことに気づきました。お互いが誠実に建設的議論をしようとすればするほど、一方は論理的に尖っていき、一方は気持ちの吐露に疲弊し、距離がどんどん開いていき、余計に混乱していたわけです。

このように考えると、その人それぞれに性格というか、考えの方向性が決まっていて、その枠を脱して考えるのは難しいのだなと思いました。であれば、お互いにコミュニケーションの型の違いを尊重しあって、違う型の人とうまくコミュニケーションする方法を探そうと考えるようになりました。

採用においても、採用予定者と経営者が合うか、上司と合うか、同じグループの同僚と合うかを考えるようになりました。また、性格の偏りが出ないように、満遍なく採用するようにしようと思うようになりました。

会社にも拠ると思うのですが、弊社の場合は、「創造重視」と「結果重視」が非常に少ないです。おそらく私が「秩序重視」の性格だからだと思います。「創造重視」と「結果重視」の方は独立心が旺盛なタイプなので、雇用関係で結ばれることは難しいのかもしれませんが、どんな形であれ、うまく繋がれるといいなと思っています。